新潟古本屋日記

新潟市の古本屋、フィッシュ・オンのブログです。
古本屋をはじめてはやいものでもう10年。色々と移転しながら現在は沼垂テラス商店街で営業中です。ブログでは入荷した古本、おすすめ本、読書会、イベント出店の情報など更新しています。
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18歳のための古本案内。
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    「何かおすすめの小説はありますか?」

    女性のお客さんからおすすめの本を尋ねられた。

    おそらく年の頃は十代後半くらい。

     

    稀におすすめの本を訊かれることはあるが

    こんなに若いお客さんから訊かれるのは

    思い出せないくらいずいぶんと久しぶりだ。

     

    すこしお話してみると

    最近読書の愉しさに目覚めたとのこと。

    こりゃ変な本はおすすめできないなーと脳みそをフル回転し

    店内の本の背表紙に目線を走らせる。

    うーん、よくよく考えると我が店には若い読者におすすめできそうな小説があまりない。

     

    自分が十代後半の頃は何を読んでいたかなーと思い出してみると

    ちょうど村上春樹の作品と出合って本の世界にハマりだしたころの初々しい感情が蘇ってきた。

     

    しかしここで村上春樹ではあまりにもひねりがないかなーと思い

    『ちくま日本文学全集 佐藤春夫』を選ぶ。

     


     

    せっかくの古本屋だし、ちょっと古い作家に触れてみるのもありなんじゃないかなと。

    佐藤春夫の短篇小説と詩のいくつかが収録されている本なのだけど

    『美しい町』という小説がすごくいいので是非読んでみてくださいとおすすめした。

     

    とあるお金持ちの依頼で若い画家と老建築技師が理想の美しい町をつくるために奔走するお話。

    大正の時代の空気と、読後感に残るなんともいえない余韻が魅力の一篇。

     

    十代のうら若き女性はどんなふうにこの小説を読むんだろうか。

    もはや三十代半ばの自分には想像もつかないが

    この小説を読んで少しでも古本の魅力が伝わればいいなと思う。

    | 営業日誌 | 17:16 | comments(0) | - |
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